そんな、花好きだからこそ、
実際花屋で働き始めてみると、
一般的なお客様の花に対する考えに、
驚かされる事もしばしばでした(^ ^)
まず、自分の感覚と、
実際に売れて行く花とのギャップ!
毎日、一生懸命お客様に向き合う中で、
その人ひとりひとりに合うお花を提案できるようになりましたが、
今なお、日々勉強です。
私が花屋になった15年前には、
花を贈る、というと、
主流はカサブランカか、赤バラ。
それに、カスミソウを足す、という、オーソドックス、定番中の定番!がまだまだ根強く、
ご来店なさる男性の方々は、カスミソウの名前が出てこないけれど、
「白くて小さい、ほら、チラチラした細かい花、あれも入れておいて。」
と良く言われました。
そしてビロードみたいな花びらを持つ、このローテローゼが、赤バラの代名詞でした。
時代は
花=赤バラ=ローテローゼ
だったのです。
色んな花が好きで、新しいものに興味津々だった私は、
この売れ筋にまず仰天するんですね(笑)若かった(^-^;)
そんな花屋の売れ筋No.1のローテローゼでしたが、今は赤バラだけでも沢山の品種が出回り、それぞれに良さがあります。
先日、品種名はわかっていないけれど、確実にこのローテローゼを欲しがっているお客様から問い合わせがありました。
「赤バラが欲しいのですが、ビロードみたいな花びらで、、、。今花大きいのが良くあるけど、そんなんじゃなくて、、、。贈りたい人が、それが1番好きだって言ってるんです。」
ああ、ローテのことだぁ(^ ^)、とすぐわかりました。
品種名指定で市場に注文を出し、手配しました。
そしてその日、たまたま用意してくれた市場のバラ担当さんから、
「お出しした村上農園さんのローテローゼは、明日出荷で最後なんですよ」
と聞きました。
正直、
あぁ、来たな、
と感じました。
ローテローゼは、根強い人気のバラだから、
無くなってしまう、という事はないと思っていますが、
何だか、一つの時代が確実に終わっていくのを感じ、少し淋しい気分になったのです。
その日、そんな生産終了を聞いて、
画像にしておこう、と、撮りました。
たまたまiPhoneしかなかったので、
色も少し目で見るのとは、違うけれど。
こんな、一世を風靡した、今なお美しいバラでも、時代の中に溶けていく。
毎日目の前を通り過ぎていく花を、
もっと大切にしなければ。
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